歯の治療は痛いから嫌い!

もっともです。

でも、痛くない歯の治療もあるのです。

それは特殊な器械を使う治療?

たとえばレーザーやカリソルブやヒールオゾンなんていうのがあります。
そういう最新の機械を使うのもいいですけど、その多くは保険が適応されません。つまりお金がかかります。

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あんまりお金をかけないようにすることはできる?

できます。

むし歯も歯周病も初期のうちに治療すれば痛くないし、あんまりお金はかかりませんのです。

むし歯は感染歯質(むし歯菌のいるところ)のみを選択的に削れば痛みはありません。歯周病は、初期のうちなら手術や歯がしみるほど歯石をとる必要もありません。

しかし、病気が進行してしまうと麻酔なしでの治療は難しくなります。特にむし歯が進行して歯の神経が感染してしまうと、麻酔も効きにくくなります。さらに病気が進行すれば、抜歯せざるを得なくなります。

つまり、痛みなどの自覚症状がでる前に病気を見つけて、早期に治療すれば痛みのない治療が可能になるのです。

では症状のない病気をどうやって見つけるの?

それは定期検診です。

幸いなことに、むし歯や歯周病はそれほど進行の早い病気ではありません。むし歯はそのほとんどが数カ月単位、歯周病はそのほとんどが年単位で進行します。ですから、1年に2~3回の検診を受けていただければ、ほとんどの初期の病気の発見と早期治療が可能になります。
痛い治療を避けたいのならば、痛くなる前に定期検診を受け、悪い所は早いうちに治すことです。

初期治療の落とし穴

しかし、病気の早期発見と初期治療ですべてが解決するわけではありません。特にむし歯の治療では、初期治療であっても歯を削り、人工の代替物(プラスチックや金属)に置き換えることはかわりません。

そこでもし、初期治療を何回も受けることになったとしたら?

そのたびに人工の代替物が大きくなっていきます。そしてどんなに優れた物質(セラミックや貴金属)を使っても、人工の部分は、天然の歯に比べれば病気になりやすいのです。何回も治療を受ければ、人工物は大きくなり、その結果病気になる可能性は治療のたびに高くなっていくのです。

ではどうすれば?

やはり、病気は治療するよりも病気にならないようにすることが大切です。いくら初期の胃がんはそのほとんどが治療可能であるといわれても、やはり胃がんにならないほうがいいに決まっています。

幸いむし歯や歯周病はその原因や悪くなる過程が科学的にかなり解明されてきていますので、科学的な根拠に沿った予防処置が可能です。つまり、むし歯や歯周病は防ぐことができる病気なのです。

私たちの医院では、病気を治すことと同時に予防することも重視しています。

でも、むし歯で穴があいた歯や、歯周病でぐらぐらしてきた歯はどんなに頑張っても予防だけでは治せません。ぜひ、症状が出る前に受診してください。

痛くない歯科治療を受けるコツは、
痛くなる前の受診と予防です。

でも治療中に痛くなったら?

ひどいむし歯の治療の時など多少は我慢いただくことがあるかもしれません。ですからせめて、「何かあればいつでも治療を止められる」よう私たちは気をつけています。

激しく痛む
唾液や水がたまって苦しい
口をあいているのがつらい

などのときは、遠慮なく手を挙げて合図してください。
すぐに、治療を止めます。