むし歯の原因は細菌です。しかし、同じ細菌が原因の病気でも食中毒や伝染病とは違い、原因菌がいるだけでは発症しません。(むし歯の原因菌はほぼすべての人の口の中にいます)

むし歯の発症には「食生活習慣」が大きく関係しています

確かに「むし歯になりやすい食べ物」と言われる食べ物はあります(お菓子など砂糖を多く含む食べ物がその代表例です)。こういった食べ物をいっさい食べなければ確かにむし歯にはなりにくくなります。でも、多くの人にとってそれは可能でしょうか?

「甘い食べ物」は、栄養補給のために食べるのではありません。それを食べることは精神的な要因がかなり強く、ある種の「依存性」があると思われます。ですから、ダイエットはとても難しいことなのです。難しいからこそ、ダイエットは女性向け雑誌記事の定番になっているのです。

あなたは「甘い食べ物」をやめることができますか?

むし歯になりにくい食べ方

むし歯と食生活の関係について

過去に行われた興味深い研究があります。

「ビペホルムの研究 Vipeholm dental caries study」(Gustafssonら,1954)

この研究では、しょ糖(砂糖)の摂取とむし歯の発症の関係について次のような結果が得られました。

(ⅰ)しょ糖を食事の時だけ摂取した場合はむし歯の発症は少なく、特に問題がない。
(ⅱ)しょ糖を食事と間食の両方で摂取するとむし歯の誘発性が高くなる。
(ⅲ)間食として摂取するときは、その性状むし歯誘発性が異なる。
間食として歯に付きやすいしょ糖を含む食べ物を摂取するとむし歯が増加しやすい。

つまり「どのくらい甘いものを食べるか」ではなく「どのように甘いものを食べるか」が 重要である ということです。

  1. 甘いものを食べるのであれば、間食として食べるのではなく食事と一緒に食べる。ただし歯にくっつきやすいもの(キャラメルやトフィーなど)や、長時間口の中に残るもの(キャンデー、チュッパチャップスなど)は、できるだけ控える。
  2. 間食はしない。もし間食をする場合は、むし歯にならない代用糖を使用したもの(キシリトールガムなど)を食べる。
  3. 寝る前の飲食は控える。寝ている間は唾液分泌量が減るので、むし歯ができやすい状態になっているため。

キシリトール